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「プロパンガス、高すぎる」と気づいたのは、友人宅の都市ガス代を見たときだ。同じ月、僕のプロパン代は15,800円。友人(ほぼ同じ家族構成・使用量)の都市ガス代は6,400円。倍以上の差があった。
これをきっかけに、プロパンから都市ガスへの切り替えを本格的に調べた。切り替えに約8ヶ月かかったが、年間で約12万円の差額が生まれた。その全記録をまとめる。
プロパンガスが高い理由
プロパンガス(LPガス)と都市ガスの価格差は、一般に知られている以上に大きい。経済産業省の資料によると、LPガス(プロパン)の料金は都市ガスの約2倍が目安とされている。
なぜこんなに違うのか。主な理由は以下だ。
- インフラコストの違い:都市ガスは地中に敷設したパイプラインで供給するため、一度整備されれば配送コストがほぼかからない。プロパンはボンベをトラックで各家庭に配達するため、配送コストが単価に上乗せされる
- 競争の少なさ:都市ガスは基本的に地域ごとに大手ガス会社(東京ガス等)がシェアを持ち、新電力のように多数の会社が競争している。プロパンは地方・郊外では選択肢が限られ、競争が働きにくい
- 料金の不透明性:プロパンガス料金は規制がなく、各社が自由に設定できる。同じ地域でも会社によって料金が大きく異なる
我が家の状況
神奈川県内の戸建て(築22年)に住んでいる。この地域は都市ガスが通っておらず、ずっとプロパンを使っていた。前の家主からそのまま引き継いだ地元のプロパン会社との契約で、切り替えを考えたことすらなかった。
使用量は月平均10〜15㎥程度(冬は20㎥を超える月もある)。
エネピで見積もりを取った
プロパンガスの料金比較・切り替えサービスとして「エネピ(enepi)」がある。エネピは現在のプロパン料金を入力すると、地域の他のプロパン会社の料金と比較してくれる無料サービスだ。
大事なのは「プロパン→都市ガス」ではなく「プロパン→プロパン(別会社)」の乗り換えも選択肢だということだ。都市ガスが通っていない地域の人でも、プロパン会社を変えるだけで料金が下がることがある。
僕がエネピに入力した内容:
- 住所(市区町村まで)
- 現在の月額ガス代:約14,000〜16,000円
- 月の使用量:約13〜14㎥
見積もり結果(主要な提案):
| 会社 | 基本料金 | 単価/㎥ | 月額試算(13㎥) | 現行比 |
|---|---|---|---|---|
| 現契約(従来会社) | 1,980円 | 約1,050円 | 約15,630円 | — |
| エネピ提案A社 | 1,650円 | 700円 | 約10,750円 | ▲4,880円/月 |
| エネピ提案B社 | 1,760円 | 720円 | 約11,120円 | ▲4,510円/月 |
月に約4,500〜5,000円の差。年間で54,000〜60,000円の差だ。
ただし、これはプロパンのまま会社を変えた場合の試算だ。都市ガスへの切り替えはこの段階では選択肢に入っていない(地域に都市ガスが通っていないため)。
都市ガスへの切り替えという選択肢が出てきた
エネピでプロパン会社を変えようとしたとき、担当者から「少し先のバス停あたりまで都市ガスが来ているので、引き込み工事をすれば都市ガスに変えられますよ」という話が出た。
都市ガスへの「引き込み工事」が可能かどうかは、最寄りのガス管の位置によって決まる。ガス管が道路の下を通っており、そこから家まで引き込める距離なら工事ができる。
東京ガスに問い合わせると、我が家は工事可能と確認できた。工事費の見積もりは以下だった。
- 本管からの引き込み工事費:約15万円(自己負担)
- 宅内配管工事費:約12万円(給湯器・コンロ・風呂の配管変更)
- 給湯器交換(プロパン用→都市ガス用):約18万円
- 合計工事費:約45万円
高い。でも計算してみた。
プロパンvs都市ガスの年間差額計算
同じ使用量(月13㎥)での年間比較:
| 項目 | 現行プロパン | 乗り換え後プロパン | 都市ガス(東京ガス) |
|---|---|---|---|
| 月額(13㎥) | 約15,630円 | 約10,750円 | 約6,200円 |
| 年間 | 約187,560円 | 約129,000円 | 約74,400円 |
都市ガスに変えた場合の年間節約額は現行プロパン比で約113,000円。工事費45万円の元を取るのは約4年だ。10年・20年のスパンで見れば都市ガスの方が大幅にお得だと判断した。
切り替え工事の流れ
決断から工事完了まで約8ヶ月かかった。長かった理由は工事の順番があることと、各業者のスケジュール調整に時間がかかったからだ。
- 東京ガスに見積もり依頼(3月):本管引き込み工事の費用・可否確認
- 申し込み・工事日程調整(4月):本管引き込みは東京ガスの指定業者が施工
- 本管引き込み工事(6月):道路に穴を掘って配管する大がかりな工事。半日かかった
- 宅内配管工事・給湯器交換(8月):プロパン用機器から都市ガス用機器への交換。1日工事
- 開通・使用開始(8月下旬)
- プロパンボンベの回収(9月):旧プロパン会社がボンベを引き取りに来た
注意点として、プロパン会社との契約に解約金が設定されているケースがある。我が家は解約金なしだったが、中には「設備(給湯器等)を無料提供している代わりに5〜10年の契約縛り」というケースがある。切り替え前に現在の契約書を確認することが必須だ。
切り替え後の実際の差額
都市ガスに変えてから9ヶ月が経過した。実際の月額比較:
- 都市ガス切り替え前(プロパン):月平均14,800円
- 都市ガス切り替え後:月平均6,400円
- 月の差額:8,400円、年間換算:100,800円
試算通りに年間約10万円の節約が出ている。工事費45万円は4〜5年で回収できる見込みだ。
まとめ:プロパンの人がまずやること
プロパンガスを使っていて「高いな」と思っている人に伝えたいことは2つだ。
- まずエネピで現在の料金が相場より高いかチェックする(無料・5分)。同じプロパンでも会社を変えるだけで月3,000〜5,000円安くなることがある
- 都市ガスが引き込める地域なら、工事費を計算して検討する。工事費が100万円以上かかる場合は元が取れないが、50万円以下なら5〜10年で回収できるケースが多い
「ガスの乗り換えなんてできない」と思っている人が多いが、プロパン→プロパン(別会社)は電力自由化と同じ感覚で簡単に切り替えられる。現在の契約書を引っ張り出すところから始めてみてほしい。
