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新築を建てると決めたとき、「太陽光パネルをつけるかどうか」は本当に悩んだ問題だった。費用対効果が不透明で、住宅営業マンの説明を鵜呑みにしていいのかもわからない。
結果的につけることを選択し、2021年4月に入居した。5.5kWのシステム(Qセルズ製パネル)を設置して、今年で3年が経過した。3年分の発電量データと売電収入の実績を公開する。
設置したシステムの概要
- パネルメーカー:Qセルズ(Q CELLS)Q.PEAK DUO G10+
- パネル枚数:20枚(275W×20枚=5,500W=5.5kW)
- パワーコンディショナー:オムロン KP-55R
- 設置費用:約165万円(税込)
- 補助金:自治体補助金(15万円)+太陽光パネル設置補助(10万円)=25万円
- 実質負担:約140万円
- FIT売電単価:17円/kWh(2021年度FIT制度適用)
- FIT期間:10年間(2031年3月まで)
Qセルズはドイツ発祥で、現在は韓国のハンファグループが製造している。変換効率が高く(Q.PEAK DUO G10+は最大21.1%)、日本の高温多湿な環境でも性能が落ちにくい点が評価されている。コスパと信頼性のバランスで選んだ。
3年間の月別発電量データ
モニタリングシステム(オムロンのKP-MU1)でリアルタイムに確認できる発電量を、3年分まとめた。
| 月 | 1年目(kWh) | 2年目(kWh) | 3年目(kWh) | 3年平均 |
|---|---|---|---|---|
| 1月 | 312 | 298 | 325 | 312 |
| 2月 | 380 | 355 | 368 | 368 |
| 3月 | 510 | 498 | 524 | 511 |
| 4月 | 545 | 562 | 538 | 548 |
| 5月 | 590 | 610 | 578 | 593 |
| 6月 | 465 | 450 | 472 | 462 |
| 7月 | 580 | 595 | 612 | 596 |
| 8月 | 598 | 625 | 588 | 604 |
| 9月 | 480 | 465 | 492 | 479 |
| 10月 | 420 | 408 | 435 | 421 |
| 11月 | 345 | 332 | 358 | 345 |
| 12月 | 285 | 278 | 295 | 286 |
| 年間合計 | 5,510kWh | 5,476kWh | 5,585kWh | 5,524kWh |
設置業者の事前シミュレーションでは年間発電量5,800〜6,000kWhという見積もりだったので、実績は約5%〜8%下回っている。これは年間を通じた日照時間の変動や、パネルの経年劣化、設置角度の実際の影響などが要因だ。
季節差が大きく、最も発電量が多い5月・8月と最も少ない12月では2倍以上の差がある。6月は梅雨で日照時間が少なく落ち込む。
3年間の売電収入
自家消費した後の余剰電力を売電している。自家消費率は年間で約35〜40%程度(詳細な計測値より)。
| 年 | 年間発電量 | 自家消費量 | 売電量 | 売電収入(17円) |
|---|---|---|---|---|
| 1年目 | 5,510kWh | 1,980kWh | 3,530kWh | 60,010円 |
| 2年目 | 5,476kWh | 2,050kWh | 3,426kWh | 58,242円 |
| 3年目 | 5,585kWh | 2,120kWh | 3,465kWh | 58,905円 |
| 3年累計 | 16,571kWh | 6,150kWh | 10,421kWh | 177,157円 |
3年間の売電収入は合計177,157円。これに自家消費分の節電効果を加える必要がある。電力単価を30円/kWhとすると、3年間の自家消費6,150kWhは184,500円分の電気代削減に相当する。
3年間の総メリット:売電177,157円+節電効果184,500円=約361,657円
実質負担140万円に対して3年で約36万円の回収。残り104万円を回収するためにはあと8〜9年かかる計算だ。
FIT制度についての整理
FIT(固定価格買取制度)は、太陽光で発電した電気を決められた単価で10年間電力会社が買い取ってくれる制度だ。
問題は、FIT単価が年々下がっていることだ。
- 2012年度(制度開始):42円/kWh
- 2021年度(私が設置):17円/kWh
- 2024年度:16円/kWh
2031年に私のFIT期間が終了した後、同じ17円で売れなくなる。「卒FIT」後の売電単価は各電力会社が設定する相対取引になり、現在のレートは8〜11円/kWh程度だ。つまり売電収入は半減以下になる。
だからこそ、卒FIT後に備えた蓄電池の導入を真剣に検討している。昼間に余った電力を蓄電池に蓄えて夜間に使えれば、売電よりも自家消費を増やせる。
蓄電池の検討状況
現在、2031年の卒FITに向けて蓄電池の情報収集をしている。現時点での状況をまとめる。
蓄電池の導入費用は現在100〜200万円程度(容量や製品による)。費用対効果を計算すると、現時点ではまだ割に合わないケースが多い。ただし、電池コストは年々下がっており、2030年頃には大幅に安くなると予想されている。
今のところ「2028〜2029年頃に再度見積もりを取って、費用対効果が合えば導入する」という方針だ。蓄電池の補助金制度(東京都では最大100万円を超える補助が出る場合がある)も合わせて確認する予定だ。
太陽光パネルを設置すべきかの結論
3年間のデータを踏まえて、「新築に太陽光をつけるべきか」への私の答えを整理する。
つけた方がいいケース
- 屋根の向きが南向きで、影の影響が少ない
- 10〜15年以上そこに住む予定がある
- 電気自動車の導入を検討している(充電コスト削減と相性がいい)
- 災害時の自家発電として利用価値を感じている
慎重に考えた方がいいケース
- 屋根が東西向きや北向き、または陰になる箇所が多い
- 近い将来転居予定がある(中古売却時に太陽光が必ずしも資産価値になるとは限らない)
- 資金が厳しく、住宅ローンに太陽光費用を上乗せして金利負担が増える
個人的な結論は「条件が合うなら設置する価値はある」だ。完全回収まで10〜12年かかる見込みだが、電気代の削減・売電収入・停電時の安心感を総合すると満足している。ただし、「すぐ元が取れる」という感覚でつけるのは危険で、10年かけてじわじわ回収するものという認識が正確だ。
